今はまだ悲しんでいたっていいんだよ
相方との死別から、失意のどん底にいる私を救ってくれた人がいます。
私は心を許して信頼している親友が数人程います。
…少ないと思われるかもしれませんが、マメじゃない私にはちょうどいいです。そんな数少ない親友の一人が、辛いときにかけてくれた言葉がずっと心に残っています。
死別から少し経って、彼女は別の友人と2人で、遠い我が家に足を運んでくれました。
それなのに私は相変わらず、さめざめと泣いては行く先の不安を口にするばかりで、まだおもてなしをして迎えてあげられるまで回復しておりませんでした。
わざわざ足を運んでくれた友人に、心配かけないようになるべく明るい姿を見せなくては!と理性ではわかっていたのですが、まだまだ感情が優位になってしまい、哀しみに浸りきった姿を晒してしまいました。
そんな私に、親友と一緒にやってきた一方の友人は
「亡くなった旦那さんが悲しむから、元気だして!」と声をかけてくれました。
えぇ、全くその通り。わかっています、すみません。なんて思いながら相づちをうっていると、親友は遮るようにこう言いました。
「まだそのレベルじゃないと思う。まだ無理して元気になろうとしなくていいんじゃない?」詳細は忘れてしまいましたが、こんなニュアンスの言葉を、別の友人の叱咤激励を遮るかのごとく、言い放ちました。
大体みんな、頑張って元気になって!と応援してくれるんです。それも本当に有難いんです。私のことを思って声をかけてくれる、それだけで十分なのです。
ですが、彼女は一味違ったんです。
追い込まないであげて!とまるで私を庇うかのように、今の私の状態を肯定してくれました。
「今はまだ悲しんでいたって、全然いいんだよ。無理に振る舞わなくていいんだよ。焦らないでいいんだよ。」
私はハッ!としました。
はやく元気にならなくちゃ!しっかりしなくちゃ!と皆の激励を素直に受け取って焦っていた私にストップをかけてくれました。
そうか、まだ泣いて悲しんでいてもいいんだ。。。と張りつめていたものが、少し緩みました。この緩みが私の僅かなゆとりとなり、このゆとりが回復へのプロセスを考察する時間をくれました。
彼女のあの時の言葉に、どれだけ救われたか…
実は彼女は、お父さんを早くに亡くされています。状況は違えど、彼女も大切な家族との死別を乗り越えた一人なのです。
その話は後に二人でしたのですが、未だにお父さんが亡くなったときのことを思い出すと涙が出るんだ、と語ってくれました。
彼女は経験から当時の自分と照らし合わせて、私が今どんな状態で、どんな声掛けが必要なのか、ちゃんと考えてくれていたんですね。
経験者の言葉には真実があるので、心にちゃんと届きます。
彼女に出会えて本当に良かった。心から信頼して、尊敬している友人です。
こうやって、要所要所で心に残る助けがあって、今に至ります。助けてくれたみんな、ありがとうありがとう。おかげで私はこんなに元気だよー!