辛いときは、5分先のことだけ考えてやり過ごせばいい
相方の死の直後、完全に思考停止してしまっていた私にある人が声をかけてくれました。その人の言葉は、今でも辛いときの過ごし方として教訓としているので、ここで紹介させてください。
これを伝えてくれた方は、同じ職場の別職種で働いていた先輩です。彼女も私と同じように死別の経験をしていました。
旦那さんを早くに亡くされて、2人のお子さんを1人で育てながら、バリバリ働く気持ちのいい方です。
死別直後のある日、私の姿を見かけると、さっとかけ寄って声をかけてくれたのです。
「大丈夫?私も同じ経験してるから…辛いのがよくわかる。必要だったら話聞けるから。」
私は噂で、彼女が旦那さんを亡くされていることは知ってはいましたが、ご本人とその話をしたことはありませんでした。
その時にどんな話をしたのか、自分でも思い出せないのですが、彼女がくれたこの言葉だけは今でもしっかり覚えています。
「あまり先のことを考えずに、1年先のことなんか考えないで、辛いときは1ヶ月、無理ならば1週間、1時間…それでもだめなら5分先のことだけ考えて過ごしていればいいよ。そうしてくうちに時間がたっていくから…」
というようなニュアンスの言葉でした。
私は哀しみにとらわれてどうにもならないときに、度々この言葉を頼りにやり過ごしました。悲しさが心を覆って、気力が沸かない。何も考えられなくて辛い・・・そんな時はこの言葉を思い出して素直に実践していたのです。
そうやって過ごすうちに気がついたら半月、1ヶ月、半年、1年と経っていました。
こんなに辛いのに1か月過ごせた!半年も経った!これなら次の半年後も大丈夫!という具合に、自分の大きな自信に繋がっていくのがわかりました。そして今、気がつけば8年経っているんですから…
やはり、経験者の言葉の重みは違います!
死別の哀しみに限らず、気持ちが乗らないとやしんどいなと感じるときは、この言葉を思い出しては実践するようになりました。
人はいつも、常に頑張れるものじゃありません。追い風もあれば向かい風もあります。嫌になっちゃう辛い時期があっても当然。人生その繰り返し、そんなもんです。
こうやって、辛いとき適度にやり過ごす術を身に付けられたことは、本当に良かったです。そしてそのきっかけをくれた彼女の言葉に巡り合えたことに奇跡を感じた、感受性豊かな私なのでした。